One&Co | Risa’s Bar【vol.01:Lucy Margaux】ビジネスツールとして知るワインの魅力。
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2020.03.18

Risa’s Bar【vol.01:Lucy Margaux】ビジネスツールとして知るワインの魅力。

ただの飲み物でなく、ただのお酒でもない。ワインは芸術の一部であり、ワインを学ぶことは歴史や地理、文化や言語まで知ることでもある。ブドウの品種や産地、味わいだけでない、広義のワインを知ることで、普段会えないような方と出会うことも出来る。教養として、ビジネスツールとして、ワインの魅力をご紹介していきます。



青木里沙 |One&Co ホットデスクメンバー
三重県出身、シンガポール在住。東京で働いていた2016年に、ひょんなことから思い立ってJSAワインエキスパートの資格を取得。ワインを学ぶ過程でできた素敵な友人達のおかげで座学よりも実践が必要と身に染みて感じ、そこからは楽しい修行の日々。夢はワイナリーを所有すること。One&Coのバーカウンターで「Risa’s Bar」を運営している(不定期)。




自宅のすぐ近くにワインショップがあり、BBQやホームパーティーで急にワインが必要になった時に重宝している。あまり大きくないそのお店はオーストラリアワインに強く、なかでもいわゆる自然派ワインの品揃えが良いように思う。その棚でひときわ目立つのが特徴的なラベルのLucy Margaux(ルーシー・マルゴー)という生産者のワインである。

Lucy Margauxはビオディナミという方法でブドウを栽培し、重力で果汁を抽出し、自然に発酵させ、フィルタリングも清澄もせず、何も添加せず、とにかくありのままというスタイルを貫くオーストラリアの生産者。家族でブドウの栽培からワインの醸造まで手掛けていて、Lucy Margauxというのは娘さんの名前なのだそう。特に自然派ワイン好きの間では知られた存在で、日本でも根強い人気があってなかなか手に入りにくい。それがシンガポールでは簡単に手に入るので、私が初めて飲んだのはシンガポールに来てからだった。誤解を恐れずに言えば、自然派ってなんとなく曖昧な概念で、どちらかというとポリシーの問題だと思っていて、私自身は自然派だからといって選ぶことはないし、美味しいというイメージもあまりない。Lucy Margauxについても単に珍しいワインという点にしか興味がなかったのだけれど…周囲の友人につられて試してみたらどれも美味しくて、今や、すっかりファンになってしまった。

天才的な作り手とも言われるLucy Margauxは、その時収穫したブドウをみてブレンドを含むワインの作り方を変えるそうで、年によって様々なタイプのボトルが出てくる。そんな中で最近試したのが、3 Colours Redという2018年ビンテージのワイン。手漉きのような目の粗い紙に二人の男性が描かれ、一目で生産者がわかるラベル。そこにブドウ品種の記載はないのだけれど、インポーターのウェブサイトにはRed, White and Grisとあって、つまり赤、白、グリ系(果皮が色づく白ブドウ)の3色のブドウを混ぜているということのよう。

飲んでみると、香りにも味わいにも、はっきりと自然派らしい特徴がありつつ、優しい果実味があって、軽やかで、すっと身体に染みていくような、素直に美味しいと思えるワイン。開栓したては微かに発泡していて、そうか、ワインってブドウ果汁を発酵させたものだったなと、ふと思い出す。難しく考えなくても、美味しければそれでよいのだと思う。

<おススメのタイミング>
日本のワイン好きな方へのお土産・辛くないシンプルな中華料理にあわせて・明るい時間帯のBBQ など

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